病気が逃げ出すサプリ指南

サプリメントでがんは予防できるか

丁宗鐵・日本薬科大学学長
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 平均寿命が延びる一方で、がんにかかる人が増えています。私たちの身の回りにあるたくさんの発がん物質、体内時計の乱れや免疫を低下させる生活習慣もがんをできやすくしている要因かもしれません。こうした中で、サプリメントによるがん予防への期待は高いものがありますが、科学的に予防に効くと立証されたものはありません。では、まったく役に立たないのでしょうか。

 サプリメントは食品なので、直接の効果としてがんを予防することはできません。しかし、生活習慣を立て直すために活用するという取り方はあるでしょう。そうした取り方には、リコピンのような抗酸化作用がある成分や、免疫をサポートするものが大事になると思います。

 リコピンはトマトの赤い色素です。抗酸化作用が強く、がん予防に役立つことが期待されている機能性成分です。がんとリコピンの関係が注目されるようになったのは、私たちのグループの研究からです。20年以上前になりますが、そのときは廃棄されていたコーヒーの赤い果肉を利用して抽出。生まれつき乳がんになりやすい特殊なマウスに投与した結果、乳がんの発生が抑えられることがわかりました。リコピンの効果を科学的に証明し…

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丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。