無難に生きる方法論

女性の「たこつぼ心筋症」の陰に夫の存在?

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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日本で発見された不思議な病気

 「たこつぼ心筋症」という奇妙な名前の病気は、日本で発見された。心筋梗塞(こうそく)と同じように心電図が変化し、心臓のかなり広い範囲で収縮が悪くなる。しかし、心臓を取り巻いて酸素や栄養を送る冠動脈には異常がないので、原因がよく分からなかった病気である。

 心筋梗塞は通常、冠動脈の一部が動脈硬化や血栓で詰まってその先に血が流れなくなることでおきる。心臓センターなどに運ばれると、救急で冠動脈を造影して、詰まっている血管を広げたり、「ステント」という筒状の細かい網を入れて治療する。大概の心筋梗塞は冠動脈に問題があるのに、たこつぼ心筋症の場合は冠動脈に異常がないので、昔からなぜだろうと不思議がられていた。心筋梗塞と似ているのだが、造影をすると、新鮮な血液を全身に送り出す左心室がたこつぼのような形に見えるためにたこつぼ心筋症と呼ばれるようになった。日本で発見された病気なので、海外でも「Takotsubo Cardiomyopathy」と呼ばれている。

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。