MMJ編集長のニュースな医学

受動喫煙防止の効果

高野聡
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 通勤時、一組の親子とすれ違う。スモックを着た男の子とお母さん。手をつないで歩く様子はほほえましいが、私の目はつないだ手と反対側の母親の手に握られたたばこにくぎ付けになる。「なぜ幼稚園に送った後まで我慢しないのか」「そもそも子どもの受動喫煙が気にならないのか」「たばこを持つ手が子どもの顔の高さにきて危ないじゃないか」。いくつもの疑問が頭をよぎる。追いかけてたばこを取り上げたい衝動に駆られるが、そんなことをしたら、反感を買うだろう。ひょっとしたら通報されるかもしれない。成人の喫煙は自由なのだから。

 喫煙者の周囲にいる人が煙を吸って被る受動喫煙の害については説明を要さないだろう。日本では2003年に施行された健康増進法に、罰則はないものの「受動喫煙の防止」(第25条)が盛り込まれて以降、公共施設や商業施設など多くの人が集まる場所の原則禁煙化が進んだ。職場の分煙化も進み、非喫煙者の一人として、暮らしやすくなった。

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高野聡

1989年入社、メディア情報部、船橋支局、千葉支局などを経て96年、東京本社科学環境部。埼玉医科大の性別適合手術、茨城県東海村臨界事故など科学環境分野のニュースを取材。2009年より大阪本社科学環境部で新型インフルエンザパンデミックなど取材。10年10月より医学誌MMJ(毎日メディカルジャーナル)編集長、東京本社医療福祉部編集委員、福井支局長などを歴任。