孤島の小さな診療所から

真剣勝負! 集落対抗運動会の歴史と意味

太田龍一・沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
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島の集落ごとの対抗戦で行われる運動会の様子。長縄跳びにも力が入ります=2015年11月、筆者提供
島の集落ごとの対抗戦で行われる運動会の様子。長縄跳びにも力が入ります=2015年11月、筆者提供

 離島では、さまざまな年間行事があります。

 南大東島で行われている代表的な行事としては、農業の豊作を祈願する豊年祭、漁業の神さまに感謝する金比羅祭、地域の産業活性化を目的とした産業祭りなどがあり、おみこしが島中を巡ったり、相撲大会が行われたりと、どれも毎回とても盛況です。私の印象では、年中、島のどこかで祭りや催し物が行われているようです。

 数ある行事の中で、私が深く関わっているものが、村全体で行う運動会です。子供から高齢者まで参加でき、ほとんどの島民が集まって1日がかりで行われる盛大なものです。さらにこの運動会は集落対抗となっているため、競技に出る人は自分の集落の名を背負って参加するため、かなり本気です。かくいう私もある集落の代表として、幾つかの種目に参加するのですが、思った以上にプレッシャーを感じます。

 この運動会、実はかなり歴史が深く、20世紀初め、南大東村が開墾されてすぐに始まったものとされています。当時は、農業に従事する人が多数、島内で働かれていて、ピーク時の島の人口は5000人を超えたと言われています。しかし島には余暇を楽しめる場所が今以上になく、働き盛りの人々のストレス発散の場がありませんでした。そこで考えられたのが運動会です。集落対抗にすることによって島民のライバル意識を刺激すること…

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太田龍一

沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。