髪の健康相談室

あなたの髪は何度目の生え変わり? 毛と皮膚の構造

齊藤典充・横浜労災病院皮膚科部長
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 年齢とともにボリュームがなくなり、抜け毛や白髪を見つけるたびにため息。人目につきやすい頭髪の悩みは、男性のみならず女性にとっても深刻です。誰にも相談できずに困っていませんか? ちまたには多くの関連商品やサービスがあふれていますが、最新の医学は、さまざまな頭髪のトラブルの背後に隠れている病気を突き止め、「治療」していくすべを編み出しつつあります。髪と頭皮に起きる問題への対処法、そして髪を健やかに保つ方法を、医療の視点で解説する新連載「髪の健康相談室」。講師役は脱毛症治療が専門の齊藤典充・横浜労災病院皮膚科部長に務めていただきます。まずは基本の中の基本、毛と皮膚の仕組みから聞きました。【聞き手=医療ライター・阿部厚香】

 毛は全身に分布していますが、目に見えているところだけが「毛」なのではありません。皮膚の中に埋まっていて、外からは見えない毛の根元にもいろいろな組織が存在します。それは心臓や肝臓、腎臓と同じように一つずつ完結した機能を持ったもので、「生体内で一番小さい器官」ともいわれています。

 毛は1本ずつが毛包という組織に包まれて、皮膚の下にある皮下脂肪組織まで斜めに埋もれた状態になっています。皮膚の外に出て目で見える部分を「毛幹」、皮膚内に埋まった部分を「毛根」といい、毛根の下端に「毛球部」と呼ばれる部分があります。毛は主にケラチンという私たちの爪や皮膚の表皮を作っているのと同じたんぱく質からできており、切っても血は出ません。でも、毛球部にある「毛乳頭」という部分の中には毛細血管が…

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齊藤典充

横浜労災病院皮膚科部長

さいとう・のりみつ 1993年北里大学卒業、同大学皮膚科に入局。98~2000年米国カリフォルニア大学サンディエゴ校留学。国立横浜病院(現:国立病院機構横浜医療センター)皮膚科、北里大学皮膚科助手、講師、国立病院機構横浜医療センター皮膚科部長などを経て14年4月から現職。専門は脱毛症、血管炎、血行障害。日本皮膚科学会の脱毛症に関する診療ガイドラインの作成に携わるなど、長年、診療の第一線で脱毛治療・研究の分野をリードしている。