実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

〈緊急企画〉ジカ熱拡大【前編】蚊が運ぶ病の正体とは

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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「世界一恐ろしい生物=蚊」の実態を知る【8】

 「ジカ熱って、大丈夫でしょうか……」

 先月(2016年1月)下旬のある日、2人の患者さんから同じ質問を受けました。1人は30代の男性、もう1人は20代の女性。共通点は「近く新婚旅行で南米渡航」することです。

 太融寺町谷口医院の患者さんは比較的若い人が多く、また私自身が日本旅行医学会に所属し、海外を訪れる人たちに向けた「旅行医学」の実践を掲げていることもあって、新婚旅行を含めた旅行時に関する健康相談をよく受けます。南米はペルーのマチュピチュなどの遺跡や、絶景で知られるボリビアのウユニ塩湖が新婚旅行先として人気を集め、近年渡航者が増加しています。しかし自然災害、感染症のリスクは総じて高く、多くの国でテロや強盗などの人災も少なくないため、渡航ルートにもよりますが初心者向けの海外渡航プランではありません。

 したがって南米を新婚旅行先に選ぶような人は、それなりに海外渡航の経験が豊富で、私よりも現地の医療情…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト