笑顔をつくる おなかの医学

通勤中のおなかゴロゴロはストレス性疾患

尾高健夫・尾高内科・胃腸クリニック院長
  • 文字
  • 印刷

 満員の通勤電車の中で急におなかがゴロゴロしてきて、最初に停車した駅でトイレに駆け込む……。こんな経験を何度もしている人は、ストレスで脳がダメージを受けているのかもしれません。今回から2回にわたり、ストレスによって腸の調子が悪くなる「過敏性腸症候群(IBS)」を取り上げます。

 前々回、前回と続けて取り上げた「慢性便秘症」には、「過敏性腸症候群の便秘型」というタイプがありました。そこでは詳しい説明ができなかったので、「どんな病気?」と思われたかもしれません。

 過敏性腸症候群(IBS)は、大腸内視鏡検査や腸に関連する血液検査などをしても異常が見つからないのに、腹痛や腹部膨満感、腹鳴(おなかがゴロゴロすること)などの症状や、下痢・便秘といった便通異常が慢性的に起こる病気です。推定患者数は日本人の約13%にあたる1200万人で、比較的若い世代に多くみられます。

この記事は有料記事です。

残り1209文字(全文1590文字)

尾高健夫

尾高内科・胃腸クリニック院長

おだか・たけお 1989年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業後、千葉大学医学部第1内科(現・消化器・腎臓内科学)入局。千葉県立東金病院内科医長、東邦大学医療センター佐倉病院内視鏡治療センター講師、おゆみのクリニック(千葉市)消化器科部長などを経て、2014年千葉市内に尾高内科・胃腸クリニックを開設。長く消化器疾患と内視鏡検査の専門医として診療にあたり、特に胃腸疾患では内視鏡による早期がんの診断と治療、ヘリコバクター・ピロリの除菌治療、胃食道逆流症、便秘・下痢症など幅広い疾患を対象に治療と研究を行ってきた。モットーは「人として優しく、医者として明るい医療」。科学的エビデンス(証拠)と自身の経験による知識をバランスよく、わかりやすい言葉で患者に伝えることに心を砕いている。