無難に生きる方法論

医師の聴診器は飾りか?

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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使いこなせない医師が増えている

 少し前の話になるが、昨年11月に神戸市で行われた「循環器フィジカルイグザミネーション講習会(代表世話人・吉川純一)」に参加してきた。一般の方は、名前を聞いても何の講習会か想像がつかないであろう。これは、循環器を専門にする、またはそれを目指す医師や研修医が聴診器や簡単な検査道具だけで病気をある程度推測するための講習会で、心臓などの雑音を聞き分けて病気を判別する技術を習得することが目的である。もっといえば、聴診器も使いこなせない医師が増えていることを嘆いた元大阪市立大学医学部付属病院長の吉川純一先生が、若い医師に聴診器の使い方を伝えるために始めた講習会なのである。

 なんとこの講習会は2003年以来13回も続き、毎回300人近くの参加者がある。私も縁あって、ずいぶ…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。