Dr.堀江重郎の健康羅針盤

若い男性はインフルエンザワクチンの効果が少ない?

堀江重郎・順天堂大学教授
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 インフルエンザの流行入りが年を越したのは9シーズンぶりとのことでしたが、年明けには流行期に入り、1月末ごろから急増しています。インフルエンザワクチンを接種した人は「私は大丈夫」と思われているかもしれません。しかし実は「インフルエンザワクチンは若い男性(テストステロン値の高い男性)には効果が少ない」という報告があります。

 一般に男性は女性に比べて、細菌やウイルスに感染しやすく、インフルエンザについても男性の罹患率(りかん)の方が高いことが以前から知られていました。また男性は女性に比べて、はしか、肝炎などのワクチンの効果が出にくいことも知られていました。では、インフルエンザワクチンの効果にも男女差はあるのでしょうか。そしてその理由は何なのでしょうか。この疑問について米スタンフォード大学とフランス国立保健医学研究所などの研究チームが2013年12月23日、米科学アカデミー紀要オンライン版に発表した研究を紹介しましょう。

 研究チームは、20~89歳までの男性34人、女性53人を対象として、08~09年のインフルエンザシーズンに、インフルエンザワクチンによる免疫反応に関する研究を行いました。その結果、A型のH3型とB型については、男性よりも女性の方が、ワクチン抗原に対して、抗体を産生する効果が高いことがわかりました。一方、同じA型でもH1型は、男女に抗体産生の効果の差は見られませんでした。また、女性の方が、免疫反応…

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堀江重郎

順天堂大学教授

ほりえ・しげお 順天堂大学大学院教授、泌尿器科医。1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得し、国立がんセンター中央病院などを経て、42歳で帝京大学医学部主任教授に就任。日本初の男性外来であるメンズヘルス外来を開設。2012年より現職。手術ロボット・ダヴィンチを駆使した前立腺、腎臓手術のトップランナーであると同時に、アンチエイジングと男性医学、腎臓学の研究に没頭している。中高年男性をハツラツとさせるのが生きがい。日本メンズヘルス医学会理事長、日本抗加齢医学会副理事長。著書に「ヤル気がでる!最強の男性医療」(文春新書)、「男性の病気の手術と治療」(かまくら春秋社)ほか。