アスリートドクターに学ぶ 健康エクササイズ

現代の壊血病やがんにも注目されるビタミンC

順天堂大学女性スポーツ研究センター
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 栄養素であり、活性酸素を取り除く抗酸化物質でもあるビタミンC。前回は、骨や寿命との関連を伺いました。このほかに、最新研究ではどのようなことが明らかになっているのでしょうか。引き続き、順天堂大学女性スポーツ研究センター・プロジェクトメンバーの東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム分子老化制御研究部長、石神昭人さんに聞きました。

 ビタミンCは、体のいたるところにあります。臓器の中で最も多く貯蔵されているところが、腎臓の上にある副腎です。ストレスがかかると、副腎からアドレナリンというストレスホルモンが分泌されます。ビタミンCは、このアドレナリンの合成になくてはならないものです。また、ビタミンCは、筋肉にも貯蔵されています。私たちはマウスの実験で筋肉中のビタミンCと酸化ストレスの関連を調べています。その結果、筋肉中にビタミンCがないと、活性酸素の量はビタミンCがある場合の倍に増えることがわかりました。運動すると筋肉中で活性酸素が増えます。ビタミンCがない場合、酸化によって筋肉の細胞が損傷し、筋力の低下を起こすと考えられます。

 活性酸素は、増え過ぎると病気を引き起こします。たばこを吸うとビタミンCが減ることが知られていますが、高齢者に多いCOPD(慢性閉塞<へいそく>性肺疾患)は、ビタミンCとの関連が顕著な病気です。私たちは研究によって▽ビタミンCが不足した状態でたばこを吸うと肺が破壊されて、COPDになりやすいこと▽実際の患者さんでは、血液中のビタミンCの濃度が低いこと▽喫煙前にビタミンCを取ると肺の破壊が予防できる…

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順天堂大学女性スポーツ研究センター

研究の視点から女性アスリートのコンディション管理を支援するため、2014年に設立された。学内と学外から医学とスポーツ健康科学の専門家が参画して女性アスリートを支援する方策や環境整備などを研究している。同年10月には、国内初となる「女性アスリート外来」を東京と千葉にある2か所の順天堂大学付属病院に開設。医師による診療や試合に向けたコンディションづくりのアドバイスなども行っている。センターウェブサイト