医療プレミア特集

「今すぐ対策」と「完治目標」 花粉症治療の両輪を知る

福島安紀・医療ライター
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 花粉症の人にはつらいシーズンが到来しました。年々患者数は増加し、いまや都市部では3人に1人がスギ花粉症といわれます。すぐできる対策と、完治を目指す方法、花粉症治療の両輪を「花粉症の長期戦略と短期療法」(小学館文庫)の著書もある耳鼻咽喉科山西クリニック(東京都新宿区)院長の山西敏朗さんに聞きました。

 花粉症は、目、鼻、口に花粉が入ることで、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどのイガイガなどといった症状が出る病気です。この時期、典型的な症状が出ている皆さんにまずお勧めしたいのが、一度は、耳鼻咽喉科へ行って本当にスギ花粉症なのか診断を受けることです。というのは、毎年、この時期に来院する患者さんの中には、“思い込み花粉症”の方が結構いるからです。花粉症だと思っていたら鼻の真ん中にある軟骨が曲がっている鼻中隔湾曲症だったり、副鼻腔(びくう)炎やポリープ(はなたけ)があったり、まれではありますががんが見つかったりということもあります。花粉症でない場合には当然その治療法も変わってきます。

 そもそも花粉症とは、過剰に免疫機能が働くことによるアレルギー反応です。私たちの体には、鼻や口の中にウイルスや菌のような外敵が入ってきたら、くしゃみや鼻水で外へ出そうとし、鼻を詰まらせてそれ以上入って来ないようにする免疫機構が備わっています。花粉をウイルスと同じような有害な外敵と体が勘違いして免疫機能が過剰に働くために、わずらわしい症状が出るのがこの病気です。いつでも誰でもなる可能性があるので、今…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。