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祖母の思い出にインスリン製剤の進歩を考える

高野聡・毎日新聞 医療プレミア編集部

 小学生のころ、祖母の早朝の通院によくついて行った。祖母は長年糖尿病を患っており、開院前の病院でインスリン注射を受けるのが日課だった。薄暗い一室で見た、インスリンの入ったガラスの注射器の鈍い光が記憶に残っている。

 そんな40年も前のことを思い出したのは、インスリン製剤のめざましい進歩に触れたからだ。常に一定に分泌される生体のインスリンにより近い作用が期待できる製剤が開発され、日本人対象の臨床試験を実施したところ、低血糖や体重が増えるという副作用が減ったとの結果が、2014年、米国糖尿病学会で発表された。

 血液中の糖分を各臓器に取り込むため、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモン「インスリン」は1921年に発見された。23年に製剤化され、糖尿病患者に注射する治療が始まった。当初使われたのはウシやブタの膵臓からの抽出物。しかし不純物が多いため、アレルギー症状が起きたという。82年にはブタのインスリンを元に、遺伝子組み換え技術を使ってヒト型のインスリンが合成されるようになったが、患者1人が1年間使う量…

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毎日新聞 医療プレミア編集部

1989年入社、メディア情報部、船橋支局、千葉支局などを経て96年、東京本社科学環境部。埼玉医科大の性別適合手術、茨城県東海村臨界事故など科学環境分野のニュースを取材。2009年より大阪本社科学環境部で新型インフルエンザパンデミックなど取材。10年10月より医学誌MMJ(毎日メディカルジャーナル)編集長、東京本社医療福祉部編集委員、福井支局長などを歴任。