人類史からひもとく糖質制限食

ケトン体、それはおなかの赤ちゃんの栄養源だった

江部康二・高雄病院理事長
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 宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)の院長、そして私の畏友(いゆう)でもある宗田哲男先生が、2015年11月に出版した「ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか」(光文社新書)がベストセラーになっています。とても興味深い内容の本ですので、この連載の読者の皆さんにも一読をお勧めします。産婦人科医である宗田先生が手がけたヒトの胎盤のケトン体を測定した研究は、おそらく世界で初めての成果です。私も共同研究者の一人として参加させていただきました。今回、まずはその研究の概要を紹介したいと思います。14年と15年の2度、学会発表されていますので、個々に解説しましょう。

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江部康二

高雄病院理事長

えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。