ひたむきに生きて

弱者に席を譲る社会に

天野篤・順天堂医院院長/順天堂大学教授
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心臓手術をする天野篤・順天堂大学教授(中央)=東京都文京区の順天堂医院で2012年5月21日、丸山博撮影
心臓手術をする天野篤・順天堂大学教授(中央)=東京都文京区の順天堂医院で2012年5月21日、丸山博撮影

 1カ月ほど前、買い物に向かうため地下鉄を利用した時です。乗車したときは空席が多かったので座ったところ、電車が進むに連れて徐々に座席が埋まっていきました。休日だったため、子どもが小学校低学年くらいの親子連れや若者も座っていて、親子が楽しそうに会話したり、スマートフォンの画面に見入る若者がいたりしました。

 休日の午後によく見られる地下鉄車内の状況でした。前東京都知事が地下鉄で携帯通信電波が切れ目なく使用できるようにしたことは、多くの利用客にとって利便性が上がったと考えます。一方、立つ乗客が増える中、つえを頼りにした高齢の女性が一人で乗車してきましたが、それに気付く着席客はいませんでした。

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天野篤

順天堂医院院長/順天堂大学教授

あまの・あつし 1955年生まれ。埼玉県出身。83年日本大医学部卒。亀田総合病院、新東京病院などを経て、2002年7月から順天堂大学教授、16年4月から順天堂大学医学部付属順天堂医院院長。12年に天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀したことで知られる。