アスリートドクターに学ぶ 健康エクササイズ

骨密度が低い…その先にあるリスクとは

順天堂大学女性スポーツ研究センター
  • 文字
  • 印刷

 女性アスリートの健康上の問題として「無月経」「疲労骨折」「摂取エネルギーの不足」が挙げられ、合わせて「女性アスリートの3主徴」とよばれます。このうち骨の健康に関して、最近はアスリートだけでなく一般の女性の関心も高まっています。骨密度が低下するとどのようなリスクがあり、また、骨を守るためにはどうしたらいいのでしょうか。前回に引き続き、スポーツドクターの草分けで整形外科医の順天堂大学大学院スポーツ医学教授、桜庭景植さんに聞きました。

 女性アスリートの中でも長距離ランナーは、無月経で骨密度の低い人が多く、それが疲労骨折の原因の一つといわれています。このようなアスリートがいることは事実です。しかし、すべての女子ランナーが疲労骨折になり、無月経だったから妊娠できないということはありません。競技をやめて妊娠や出産を希望したとき、とくに問題がないという人もいるのです。長年、アスリートを診てきたスポーツドクターとしては、少し大げさにとらえすぎているのではないか、というのが私の意見です。

 月経がないから骨が弱くなり、疲労骨折になるとは必ずしも言い切れません。アスリートの疲労骨折に詳しくない産婦人科医や、月経を詳しく知らない整形外科医も少なからずいます。関連する診療科の医師が相互に連携していない医療のシステムの中で、女性アスリートは適切な指導を受けていない現状があります。それをなくしたいというのが女性アスリート外来を開設した狙いの一つです。

この記事は有料記事です。

残り1349文字(全文1970文字)

順天堂大学女性スポーツ研究センター

研究の視点から女性アスリートのコンディション管理を支援するため、2014年に設立された。学内と学外から医学とスポーツ健康科学の専門家が参画して女性アスリートを支援する方策や環境整備などを研究している。同年10月には、国内初となる「女性アスリート外来」を東京と千葉にある2か所の順天堂大学付属病院に開設。医師による診療や試合に向けたコンディションづくりのアドバイスなども行っている。センターウェブサイト