インカ帝国の首都であったクスコには、近郊から様々な民族が集まってくる
インカ帝国の首都であったクスコには、近郊から様々な民族が集まってくる

エクアドル・アンデス山脈:ユンボス族の遺跡にて

 2015年11月、ぼくは南米エクアドル、アンデス山脈の東に広がる雲霧林を訪ねた。雲霧林というのは、絶えず雲や霧がかかっている湿度の高い場所に発達した森のことだ。そこで出会った現地の女性が「あなたはアジア人ですか? わたしのお姉さんの赤ちゃん、おしりに青い斑点があります」と唐突に言いだした。「『マンチャ・モンゴリカ』と、エクアドルではよんでいます。モンゴル人の赤ちゃんにも同じ斑点があるんでしょ!」と聞いてきた。「あ、それは蒙古斑のことだな」と、ぼくはすぐに理解した。「日本人の赤ちゃんにも、おしりに青い斑点がありますよ」と言うと、不思議そうな顔をして「わたしたちの祖先は日本人かも?」。ジョークなのか、思いっきりの笑顔で答えてきた。

 前回まで訪れていたモンゴルからエクアドルの首都キトまでは直線で約1万7000kmある。日本からでも…

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鷺森ゆう子

エスノ・メディカル・ハーバリスト(民族薬用植物研究家)

さぎもり・ゆうこ 神奈川県生まれ。動物専門学校看護科卒。日本大学英文学科卒。1994年より動物病院で獣医助手として勤務する。同時に海や川の環境保全を行う環境NGOに携わり、海洋環境保全に関するイベントの運営などを行う。また中米のベリーズを訪れ、古代マヤ人の知恵を生かしたナチュラルメディスンに触れ、自然の薬に、より関心を持つようになる。このような体験を会報誌へ執筆する。95年から1年間、東アフリカのケニアにて動物孤児院や、マサイ族の村でツェツェフライコントロールプロジェクトのボランティアに参加する。このときサバンナでは、マサイ族直伝のハーブティーなどを体験する。帰国後は再び環境NGOなどに関わりながら、国内での環境教育レクチャーや、中米グァテマラの動物孤児院にてボランティア活動を行うなど、野生生物と人との共生について探求する。2006年から野生生物の生きる環境や、世界の自然医療の現場を巡る。

藤原幸一

生物ジャーナリスト/NATURE's PLANET代表

ふじわら・こういち 秋田県生まれ。日本とオーストラリアの大学・大学院で生物学を学ぶ。現在は、世界中の野生生物の生態や環境問題、さらに各地域の伝統医学に視点をおいて取材を続けている。ガラパゴス自然保護基金(GCFJ)代表。学習院女子大学・特別総合科目「環境問題」講師。日本テレビ「天才!志村どうぶつ園」監修や「動物惑星」ナビゲーター、「世界一受けたい授業」生物先生。NHK「視点論点」「アーカイブス」、TBS「情熱大陸」、テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号」などに出演。著書は「きせきのお花畑」(アリス館)、「森の声がきこえますか」(PHP研究所)、「マダガスカルがこわれる」(第29回厚生労働省児童福祉文化財、ポプラ社)、「ヒートアイランドの虫たち」(第47回夏休みの本、あかね書房)、「ちいさな鳥の地球たび」(第45回夏休みの本)、「ガラパゴスに木を植える」(第26回読書感想画中央コンクール指定図書、岩崎書店)、「オーストラリアの花100」(共著、CCCメディアハウス)、「環境破壊図鑑」(ポプラ社)など多数。