
増えている腎臓のがん【前編】
最近、お笑い芸人「はんにゃ」の川島章良さんに見つかった、腎臓のがん。この腎臓にできるがんも、日本人に増加しているがんです。
腎臓は血液をろ過して尿をつくり、からだの老廃物を除去する働きや、血液や骨に作用するホルモンを分泌する機能を持つ臓器です。背中側に位置していますが、背中の厚い筋肉の奥にあるので、直接触るのは簡単ではありません。そして、腎臓に腫瘍ができても、多くの場合症状が出ないのです。そのため、現在のようなCT(コンピューター断層撮影)や超音波エコー検査がない時代には、腎臓がんは進行した状態でしか発見されませんでした。当時は、目で見える血尿▽おなかから腫瘍に触れること▽痛み--が、腎臓がんを疑う兆候でした。現在では、腎臓がんの多くは、人間ドックの際にCTや超音波検査で「たまたま」発見されます。
この記事は有料記事です。
残り1145文字(全文1513文字)
投稿にはログインが必要です。
順天堂大学教授
ほりえ・しげお 順天堂大学大学院教授、泌尿器科医。1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得し、国立がんセンター中央病院などを経て、42歳で帝京大学医学部主任教授に就任。日本初の男性外来であるメンズヘルス外来を開設。2012年より現職。手術ロボット・ダヴィンチを駆使した前立腺、腎臓手術のトップランナーであると同時に、アンチエイジングと男性医学、腎臓学の研究に没頭している。中高年男性をハツラツとさせるのが生きがい。日本メンズヘルス医学会理事長、日本抗加齢医学会副理事長。著書に「ヤル気がでる!最強の男性医療」(文春新書)、「男性の病気の手術と治療」(かまくら春秋社)ほか。
注目コンテンツ