笑顔をつくる おなかの医学

コップ半分の水分が増えると下痢になる

尾高健夫・尾高内科・胃腸クリニック院長
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 進学や就職、転勤などで生活環境が変わる春。新たな気持ちで張り切っているのに、どうもおなかの調子が悪い……。そんな人は少なくありません。春は、環境の変化に体が対応しきれずに、下痢を起こしやすい季節でもあります。今回から2回にわたって「下痢」を取り上げます。

 下痢とはどんな状態だと思いますかと患者さんに尋ねると、「1日に何回も便が出ること」と答える人もいれば「1回でも水のような便が出たら下痢」という人もいますし、「おなかがゴロゴロして切迫した状態で排便すること」という人もいます。

 実は、下痢には定義があります。「1日の糞便(ふんべん)中の水分が200mL以上の場合」です。健康な状態では100mLほどなので2倍になったとも考えられますが、量としてはコップ半分です。1日でたった100mL増えただけで、下痢になるのです。ただし、糞便中の水分を量るのは現実的ではありませんから、泥状便(ブリストルスケールの6)または水様便(同7)が1日3回以上出る状態を下痢としています。これが急激…

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尾高健夫

尾高内科・胃腸クリニック院長

おだか・たけお 1989年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業後、千葉大学医学部第1内科(現・消化器・腎臓内科学)入局。千葉県立東金病院内科医長、東邦大学医療センター佐倉病院内視鏡治療センター講師、おゆみのクリニック(千葉市)消化器科部長などを経て、2014年千葉市内に尾高内科・胃腸クリニックを開設。長く消化器疾患と内視鏡検査の専門医として診療にあたり、特に胃腸疾患では内視鏡による早期がんの診断と治療、ヘリコバクター・ピロリの除菌治療、胃食道逆流症、便秘・下痢症など幅広い疾患を対象に治療と研究を行ってきた。モットーは「人として優しく、医者として明るい医療」。科学的エビデンス(証拠)と自身の経験による知識をバランスよく、わかりやすい言葉で患者に伝えることに心を砕いている。