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アンジーも予防手術 HBOCに正しい理解を

福島安紀・医療ライター
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 細胞のがん化にブレーキをかける特定の遺伝子に異常(変異)があるため、がんになりやすい「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」。ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんががんの予防のために、2013年に両方の乳房、2015年3月には卵巣・卵管の切除を公表して話題となった。日本でも乳がんの人の5〜10%はHBOCではないかと推定される。遺伝性乳がん卵巣がん症候群の当事者会「NPO法人クラヴィスアルクス」理事長の太宰牧子さん(47)に、HBOCと同会の活動について聞いた。

 太宰さんは、42歳だった2011年に乳がんになった。その3年前に一つ上の姉(享年40)を卵巣がんで失っていることもあって定期的にがん検診や婦人科検診を受け、乳房に異常がないか確認する自己検診を毎日行っていた。「あるとき左胸に米粒くらいのこりこりした感じのしこりを見つけました。痛くもかゆくも何ともないけどしばらく様子を見ても消えず、何かおかしい」。そう感じた太宰さんは病院で精密検査を受け、乳がんと診断されたのだ。

 実姉が卵巣がんになったのは37歳のときだった。姉妹で若くしてがんになったことに疑問を抱き、インターネットでいろいろ調べた結果たどり着いたのがHBOCの遺伝子検査の情報だった。がん専門病院で遺伝カウンセリングを受けた後、遺伝子検査を受けた。HBOCの遺伝子検査は血液を採取し、細胞のがん化にブレーキをかける遺伝子である「BRCA1」あるいは「BRCA2」に変異があるかを調べる。検査には保険が利かない…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。