医療プレミア特集

熊本地震 被災者の心のケア「違う自分」感じたら相談を

吉永磨美・毎日新聞 医療プレミア編集部
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地震の発生から3週間が過ぎても、倒壊した家屋のがれきは多くがそのままとなっている=熊本県益城町で2016年5月8日、幾島健太郎撮影
地震の発生から3週間が過ぎても、倒壊した家屋のがれきは多くがそのままとなっている=熊本県益城町で2016年5月8日、幾島健太郎撮影

 4月14日の熊本地震発生から1カ月あまり。熊本県内では5月18日現在、約1万人が24市町村にある避難所226カ所で避難生活を続けている。被災地には、全国の自治体から、被災者の心のケアを担う専門医らで構成する「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」が発生直後からおもむき、活動を開始しているが、診察した医師からは、ストレスやそこから来る不眠などの症状を抱える被災者の多さが指摘されている。東日本大震災の被災者に対し、メンタルヘルスについて支援活動を続けている千葉県精神科医療センターの山中浩嗣医師に、被災地でのメンタルケアのあり方を聞いた。

−−発生から1カ月たち、被災者はメンタル面ではどんな状態だと想定できますか?

 まだ、心理的に落ち着いていない人も多いでしょう。人は慣れない環境で生活するだけでも、大きなストレスを感じます。人が抱えるストレスについて、受ける衝撃の大きさを比較し、ランク付けした指標があるのですが、その上位に「転居」があります。人は、引っ越すだけで、大きなストレスを感じるのです。災害時は、さらに、予告もなしに不便な場所で暮らすことになるわけですから、避難するということだけで、人は大きなストレス…

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吉永磨美

毎日新聞 医療プレミア編集部

よしなが・まみ 1972年生まれ。98年に毎日新聞社入社。横浜支局、東京本社地方部、社会部、生活報道部などを経て、2016年4月から現編集部。近年は「おんなのしんぶん」や連載「ガラスの天井」を担当しながら、女性や難聴など見えない障害をテーマに記事を執筆してきた。