
近現代日本における糖尿病食の歴史【2】
前回は、大正時代以降、約100年前からの日本における糖尿病食の変遷をお話ししました。引き続き、今回はより現代に近い時代の動きを詳しく紹介します。ここ10年の出来事が中心なので、皆さんもさまざまなメディアで見聞きした話が含まれているかもしれません。その実情を当事者である私の視点で解説する試みです。
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江部康二
高雄病院理事長
えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。