点描 ロンドン健康生活

太りすぎの英国 切り札は砂糖税?

末盛亮・フォトグラファー
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砂糖税の対象になる炭酸飲料。昔ながらの電話ボックスを前に
砂糖税の対象になる炭酸飲料。昔ながらの電話ボックスを前に

 「砂糖は新しいたばこだ」

 2年前、こんな言葉が英国の一部で物議を醸した。ある慈善団体の関係者が口にした言葉だと言われている。明確な健康への悪影響があり、依存性も高いたばこと、砂糖が同じ扱い? 不思議な気もするが、今、英国ではこの言葉が現実になりつつある。

 英国のジョージ・オズボーン財務相が2016年3月に行った予算発表は、同国の飲料業界を震撼(しんかん)させた。砂糖を多く含む飲料、特に炭酸飲料に約5億2000万ポンド(約820億円)の砂糖税を課すという。

 BBC(英国放送協会)やガーディアン紙、テレグラフ紙などの報道によれば、100mL当たり5g以上の飲料が対象となり、8gより多いものはさらに税率が上がる。前者は1L当たりの税額が18ペンス(約28円)なのに対し、後者は24ペンス(約37円)程度だ。普通のコーラやペプシは後者の高いレートの方に、ファンタやスプライトは低いレートの方に入る。

 一方で純果汁や牛乳ベースの飲料は対象外で、小規模のメーカーも控除の対象となる。炭酸飲料と同様にたっぷり砂糖を含んでいそうなチョコレートやケーキは課税対象ではない。これは、たまに食べるおやつやごちそうに比べ、炭酸飲料は毎日飲みがちだ、という判断からだという。

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末盛亮

フォトグラファー

すえもり・あきら 新聞記者を経て2002年渡英。大学院で現代戦争平和学、写真ジャーナリズムを修了後、ロンドンを拠点にフリーのフォトグラファーとして活動する。ビデオ作品も撮影。ウェブサイト www.akirasuemori.com