
脳ドックを受診すると、動脈瘤(りゅう)が見つかることがあります。破裂するとくも膜下出血などを引き起こしますが、治療は100%安全ではないため、どう対処するかは悩ましい問題です。治療方針を決める前に、これだけは知っておきたい知識を紹介します。
数mmならとりあえず安心
脳ドックで動脈瘤が見つかり、治療を受けるかどうか悩んだことはありませんか。まずお伝えしたいのは、数mmのものはすぐ破裂するわけではないので、安心していいということです。そのうえで、治療を受けるかどうか、判断することになります。
「すぐに破裂しないのなら頭の手術はしたくない。でも頭の中に爆弾を抱えているのは嫌だ。やっぱり手術を受けようか。でも手術にはリスクもある……」。多くの方が、こんなふうに葛藤されるのではないでしょうか。そんなときどう判断すればいいのか、一緒に考えていきましょう。
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くどうちあき脳神経外科クリニック院長
くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。