医をめぐる情景

障害をことさら見ない態度

上田諭・東京医療学院大学教授
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映画「レインマン」(1988年)

 「火曜日はパンケーキだ」。朝食のレストランでダスティン・ホフマン演じるレイモンドが言う。「メープルシロップが出てない。先にテーブルにないといけない」。「注文すれば一緒に来るよ」と教えるチャーリー役のトム・クルーズに、「パンケーキの後じゃ遅い」とレイモンド。「どうして遅いんだ」。「絶対に後じゃだめだ」。ついにはチャーリーが「注文してからでいいんだ、黙ってろ!」と怒鳴る。

 疎遠だった父の死をきっかけに年の離れた兄の存在を知ったチャーリーが探し当てたのは、自閉症で20年以…

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上田諭

東京医療学院大学教授

うえだ・さとし 京都府生まれ。関西学院大学社会学部では福祉専攻で精神医学のゼミで学ぶ。卒後、朝日新聞に記者で入社したが、途中から内勤の編集部門に移され「うつうつとした」日々。「人生このままでは終われない」と、もともと胸にくすぶっていた医学への志向から1990年、9年勤めた新聞社を退社し北海道大学医学部に入学(一般入試による選抜)。96年に卒業、東京医科歯科大学精神神経科の研修医に。以後、都立の高齢者専門病院を中心に勤務し、「適切でない高齢者医療」の現状を目の当たりにする。2007年、高齢者のうつ病治療に欠かせない電気けいれん療法の手法を学ぶため、米国デューク大学メディカルセンターで研修し修了。同年から日本医科大学(東京都文京区)精神神経科助教、11年から講師、17年4月より東京医療学院大学保健医療学部教授。北辰病院(埼玉県越谷市)では、「高齢者専門外来」を行っている。著書に、「治さなくてよい認知症」(日本評論社、2014)、「不幸な認知症 幸せな認知症」(マガジンハウス、2014)、訳書に「精神病性うつ病―病態の見立てと治療」(星和書店、2013)、「パルス波ECTハンドブック」(医学書院、2012)など。