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抗がん剤の副作用、本当のところ

竹本和代・医療ライター三嶋秀行・愛知医科大学教授

抗がん剤の副作用対策は進歩しているそうですが…

 子宮体がんの手術の後、抗がん剤治療を受けることになりました。抗がん剤の副作用対策は進歩しているそうですが、どう進んだのか、現状はどうなのか、具体的に教えてください。(58歳、女性)

急性と遅発性 体力を奪う嘔吐

 抗がん剤の副作用は多岐にわたりますが、すぐに思い浮かぶのは、「吐き気・嘔吐(おうと)」や「脱毛」ではないでしょうか。

 とくに吐き気・嘔吐は、多くの抗がん剤にみられる副作用で、抗がん剤投与後24時間以内に表れる急性症状と、数日後に表れる遅発性症状に分けられます。このうち、より多くの人に起こり、程度が重いのが急性の吐き気・嘔吐で、これを経験した人は遅発性の吐き気・嘔吐も起こしやすいといわれています。

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医療ライター

たけもと・かずよ 共立女子大学文芸学部卒。PR会社勤務を経て1990年フリーランスライターに。医療・ヘルスケア領域の話題を中心に、主に雑誌、医療系ムックで取材・執筆活動を行う。興味のあるテーマはがん医療、QOL疾患、目・耳などの感覚器障害、東洋医学。

愛知医科大学教授

みしま・ひでゆき 1984年大阪大学卒業。同第2外科入局。箕面市立病院、国立大阪病院(現・国立病院機構大阪医療センター)外科医長、外来化学療法室長、臨床腫瘍科長などを経て、2012年に愛知医科大学教授。現在、同大学病院臨床腫瘍センター、臨床研究支援センター部長。専門は消化器がんの化学療法と診療相談で、新薬の国際共同治験や多施設共同臨床研究への参加実績も多い。また市民向けの講演活動も多数行っており、大阪弁でのわかりやすい語り口にはファンも多い。