誰も言わない うつの本音

メンタル不調社員に悩む上司の本音

西川敦子・フリーライター
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 メンタルヘルス不調になりやすいのは仕事を抱え込んでしまう「真面目人間」−−。そう思っている人は多いのではないだろうか。ところが、最近は必ずしもそうではないようだ。では、いったいどんな人が心の病気を発症するのだろう。そして、上司や周囲はどう対応すればいいのだろうか?

 近年、職場のメンタルヘルス対策としてEAP(=Employee Assistance Program、従業員支援プログラム)という仕組みを導入する企業が増えている。米国で生まれ、日本でも2000年ごろから急速に普及した。国内におけるEAP専門機関の草分け的な存在であるジャパンEAPシステムズ(東京都新宿区)の松本桂樹社長にこれらの疑問を聞いてみた。

 当社ではEAPを提供する専門機関として、メンタルヘルスに関する企業向けの相談活動、コンサルティングなどを行っています。EAPとは、ストレスや病気を抱えた個人のケアにとどまらず、職場全体のパフォーマンス向上に主眼を置いたプログラムです。メンタル不調の社員のカウンセリングだけでなく、そうした社員を部下に持つ人や同僚にも関わり、社員と組織両者の生産性を上げることを最終目標にしています。

 私も長らく職場のメンタルヘルス問題に携わってきましたが、近年、当社に寄せられる相談内容は明らかに変わってきました。以前は「頑張り過ぎてしまう真面目な社員」のうつが多かったのですが、最近増えているのは「まだ仕事を覚えていない若手」の不調。発症するのは、入社1、2年目、もしくは新しい部署に異動して間もない人たちです。それも、もともとコミュニケーションがあまり上手に取れず、「他人と一緒に仕事をするのが…

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西川敦子

フリーライター

にしかわ・あつこ 1967年生まれ。鎌倉市出身。上智大学外国語学部卒業。釣り関連の編集プロダクション勤務、温泉仲居を経て、2001年から執筆活動。経済誌、新聞、人事関連雑誌などで、メンタルヘルスや家族問題、働き方をテーマに取材を続ける。著書に「ワーキングうつ」(ダイヤモンド社)など。