医療プレミア特集

「ストーカー病」加害者治療の必要性

中村好見・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 東京都小金井市で、芸能活動をしていた大学生の女性がファンだった男に刃物で刺された殺人未遂事件。警察の対応の不備やストーカー規制法強化の必要性が指摘されていますが、それだけで被害を減らすことはできるのでしょうか。後編では引き続き、警察と連携してストーカーの危険度を判定するプログラムをつくり、加害者治療を続けてきた一般社団法人「男女問題解決支援センター」(東京都)の代表理事で、精神科医の福井裕輝さんに、「ストーカー病」という考え方と、加害者治療の必要性について聞きました。

 −−著書では、ストーカー加害者の心の状態を「ストーカー病」と定義しています。どんな“病気”といえるのでしょうか。

 私はこれまでに警察庁から3000件近いストーカー事案のデータの提供を受けて解析し、また、100人以上のストーカー加害者の治療を続けてきました。すると、加害者には「被害者感情」「激しい思い込み」「愛憎の入り交じったしつこさ」「飛躍した衝動性」など、驚くほどの共通性がみられました。

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中村好見

毎日新聞 医療プレミア編集部

なかむら・よしみ 1984年生まれ。2008年に毎日新聞社へ入社、高松支局、和歌山支局を経て15年から医療プレミア編集部。幼少時に家族がくも膜下出血で倒れた経験から、医療とそれを取り巻く社会問題に興味を持つ。関心のあるテーマは公衆衛生、根拠と語りに基づく医療など。twitter:@yoshimi_nakamu