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若年性乳がん「赤ちゃんが欲しい」はかなえられる?

福島安紀・医療ライター
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 晩婚化、晩産化が進んでいることもあり、「そろそろ赤ちゃんが欲しい」と思っていたところに乳がんが見つかる人が増えている。以前は、がんになったら治療を最優先するのが当然だったが、生殖医療の進歩を背景に、「妊娠、出産の可能性を残したい」という患者の希望に対して、できる限りサポートする体制が広がりつつある。

 「子供を育ててお母さんになるのが夢だったので、結婚してすぐに乳がんだと分かった時は本当にショックでした。夫と話し合い、がんの治療が終わったら赤ちゃんを産めるように、できることは何でもやっておくことにしました」

 32歳で乳がんと診断された主婦、香織さん(仮名)は、腫瘍を切除する手術を受けた後、夫婦で生殖医療専門のクリニックへ行って卵子と精子を採取。体外受精による受精卵(胚)の凍結保存に踏み切った。香織さんは現在、再発予防のために5年間の予定でホルモン療法を受けている。ホルモン療法の薬は、妊娠前期に使用すると胎児に奇形が生じる可能性が増す恐れがあるため、治療中と終了後2カ月間は妊娠を避けた方がいいとされる…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。