医療プレミア特集

残された者の苦痛に寄り添う「遺族外来」

西田佐保子・毎日新聞 デジタルメディア局
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 配偶者や子ども、親や友人など、愛する人との死別は人生最大の悲しみの一つだろう。つらい別れを経験した遺族には、「大往生なんだから」「あなたは元気そうだ」などの何気ない周囲の言葉が、さらなる心の傷をもたらすこともある。埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科の遺族外来は、「とにかくつらい」と訴えるがん患者の遺族たちが訪れる場だ。「それでも人は新たな状況に適応し、成長する力を持っている」と言う大西秀樹教授の話を、前回に引き続き紹介する。

 人が受ける最大のストレスは「配偶者の死」である、という研究報告があります。調査に「子どもの死」という項目はありませんでしたが、子どもさんを亡くした人も配偶者の死と同様か、それ以上のストレスを感じているでしょう。

 死別のストレスがいかに大きいかは、さまざまな調査データをみても分かります。54歳以上の男性が配偶者との死別後半年間で、配偶者のいない同世代の男性に比べ40%も死亡率が上がったといいます。また、別の調査では大切な人の死後24時間以内に心筋梗塞(こうそく)を発症する割合は通常の21. 1倍に達し、死後90日以内でも脳卒中、肺塞栓(そくせん)の危険性が上昇するという報告もあります。また、配偶者との死別…

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西田佐保子

毎日新聞 デジタルメディア局

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。 興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。