医療プレミア特集

ネガティブ思考は自己防御反応?

西田佐保子・毎日新聞 デジタルメディア局
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 会社で、家庭で、学校で、さまざまな場面でストレスを感じることの多い現代人。ストレスとは、外部から何らかの刺激を受けている状態で、必ずしも私たちの心身に悪い影響を与えているわけではない。しかし、精神面への長期にわたるストレスが、肉体の健康を害することもある。そのような中、近年注目されているのが、逆境をしなやかにはね返す力「レジリエンス」だ。メンタルケアの現場におけるその概念と、レジリエンスを鍛えてストレスに勝つ方法を3人の医師に聞く。まずは、認知行動療法研修開発センター理事長で精神科医の大野裕さんに、認知療法を応用した方法を解説してもらった。

 ストレスは、ストレスを生じさせる出来事や事象などの「ストレス要因」と、それに対して身体面、心理面、行動面などに起きる「ストレス反応」に分かれます。特に社会人の場合は、仕事の質や量、人間関係がストレス要因となり、心身の不調や行動の変化といったストレス反応につながります。ストレスを感じやすいポイントは人それぞれで、人間関係に重きを置く人は同僚や友達とうまくいっていれば多少仕事がうまくいっていなくてもストレスをためにくく、逆に仕事中心型の人は人間関係がうまくいっていたとしても、仕事がうまくいっていなければストレスはたまりやすいのです。

 すべてのストレスが体に悪いわけではありません。心理学者のロバート・ヤーキーズとJ・D・ドットソンがネズミを用いた実験で発見した「ヤーキーズ・ドットソンの法則」によると、適度な緊張感やモチベーションなどのストレスは高パフォーマンスを生むといいます。ただし、厳しい上司に詰問されると頭が回らなくなるなど、過度なストレスはパフォーマンスを低下させます。

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西田佐保子

毎日新聞 デジタルメディア局

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。 興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。