病気が逃げ出すサプリ指南

死亡事故も 外国製サプリにご用心

丁宗鐵・日本薬科大学学長
  • 文字
  • 印刷

 最近は、痩身に効きそうな薬やサプリメントがいろいろ出回っています。簡単に購入できて、うたい文句だけみると飲むだけですぐに減量ができそうです。しかし、気軽に始めたダイエットが、命がけになってしまうことがあります。インターネットの普及によって、外国製の“やせ薬”などが入手しやすくなり、健康被害が発生しています。日本で認められた医薬品ではない、外国製のやせ薬やサプリメントの摂取による健康被害は自己責任になります。とくに若い女性は美容を優先して無理なダイエットをする人が多く、使用には注意が必要です。

 今年6月、個人輸入したタイ製のやせ薬を服用した30代の女性が、甲状腺機能障害を発症したと山梨県が発表しました。外国製のやせ薬による健康被害は、この事例以外にも数多く発生しています。厚生労働省が公表した2002年からの健康被害の事例によると 、広島県からは病院に緊急搬送、香川県では重篤になって入院、東京都と神奈川県では合わせて3人が死亡し、そのうち1人は急性心不全による死亡と報告されています。

 また、これ以前に日本で問題になったのは、中国製の伝統薬、煎じ薬、健康茶です。これについて最初に健康被害がわかったのは、ヨーロッパでした。1990年から92年にベルギーで中国製のやせ薬を摂取した人に腎障害が多発。疑問をもった医師が調査したところ、そのやせ薬に含まれる関木通(カンモクツウ)と広防己(コウボウキ)という生薬にアリストロキア酸という成分が含まれ、これが原因とわかりました。

この記事は有料記事です。

残り1114文字(全文1753文字)

丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。