漢方でつくる 心と体の健康歳時記

暑さと冷えで参った体に効く漢方は

加藤士郎・野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
  • 文字
  • 印刷

 8月に入りました。連日の暑さですでに夏バテ気味の人も多いのではないでしょうか? 近年は猛暑に加え、冷たい飲み物の飲みすぎや、エアコンによる冷えから起こる夏バテが増えています。

 私たちが子どものころの夏バテは「暑気あたり」といって、暑熱環境で受けた熱が体にこもって蓄積し、これがきっかけとなって少しずつ体力が消耗し、疲労や食欲不振が起こるというものでした。夏バテの症状が表れるのも8月の後半あたりからが多かったのです。

 ところが近年は、暑さに冷えが加わって起こる食欲不振やめまい、冷えそのものといった症状が夏バテの典型です。背景には地球温暖化や都市化によるヒートアイランド現象によって猛暑日や熱帯夜が増えていることや、その分、屋内がエアコンでキンキンに冷やされていることがあります。さらに、こうした過酷な環境変化に耐えることのできない虚弱な体質の人が増えてきたことも挙げられるでしょう。

この記事は有料記事です。

残り1622文字(全文2015文字)

加藤士郎

野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授

かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。