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子宮頸がん検診 受けるべき理由

福島安紀・医療ライター

 女性特有のがんのうち、仕事や子育てに忙しい20代から40代女性に多く発症しているのが子宮頸(けい)がんだ。子宮頸がんは検診によって死亡率の低下が証明されているがんの一つ。子宮頸がんの早期発見法について、横浜市立大学付属病院産婦人科部長の宮城悦子さんに聞いた。

性体験のある女性なら誰でもリスクあり

 子宮頸がんは、子宮の入り口である頸部(図)と呼ばれる部分に発生するがん。「子宮頸がんは年々増えており、2012年に診断された人は約1万900人で、年間約3000人がこの病気で亡くなっています。ある程度がんが広がった状態で見つかると子宮、状況によっては卵巣も手術で切除する必要があり、妊娠・出産をあきらめなければならない人もいます」。宮城さんは、そう解説する。

 20代の頃に子宮頸がんになった30代の女性は、手術で子宮と卵巣を取り除いた。「そのために、恋愛や結婚にも臆病になってしまいます。手術の後遺症で足がむくみ、営業職として働けず仕事も辞めざるを得なかったのも本当につらかったです」と打ち明ける。

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医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。