7月31日に亡くなった大相撲の第58代横綱、千代の富士の九重親方は昨秋、膵臓(すいぞう)がんを公表し、日本相撲協会の職務を務めながら闘病を続けていた。消化器がんの中では、もっとも難治性のがんの一つと言われる膵臓がん。このがんの特徴と、現状の検査・治療法について、消化器がんの化学療法と診療相談が専門で、医療プレミアで「がんと言われたらQ&A」を連載中の三嶋秀行・愛知医科大教授に聞いた。
膵臓は胃の背中側にあり、長さ約20cmの細長い洋梨のような形をしている。全体を大きく三つに分けて、それぞれ頭部、体部、尾部(びぶ)と呼ぶ。機能は主に二つで、(1)食物の消化を助ける消化液=膵液の産生と、(2)インスリン、グルカゴンという血糖値の調整に必要なホルモンの産生だ。膵臓の中には、膵管という管が網の目のように通っており、膵液は膵管を通って「主膵管」という1本の管に集められた後、肝臓で作られた胆汁が流れてくる総胆管と合流して、十二指腸に流れ込む。
この膵管の細胞にできる「膵管がん」が、膵臓がんの約9割を占める。その特徴を三嶋教授は「確実に早期発見する方法がない。そのために予後が悪い」と説明する。治療が難しい消化器がんとしては、昨年、任天堂の岩田聡社長(当時)や女優の川島なお美さんらが亡くなった胆管がんがあるが、三嶋教授は「膵臓がんは胆管がん以上に難しい。トップクラスの難治性がんと言って間違いない」と言う。
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