認知症110番

通帳がない、と訴えるしゅうとめ−−安心感から感情抑えられず

認知症予防財団
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76歳のしゅうとめと暮らしています。しゅうとめには子どもが3人(女・男2人)おり、一緒に暮らしているのは次男夫婦です。次男は仕事で出かけ、日中はしゅうとめと次男の妻の私の2人です。2年前くらいから物忘れが目立ってきて「通帳がなくなった」「衣類がなくなった」「ご飯を食べさせてくれない」「小言をいう」などと長男や長女に訴えます。長男や長女は電話で話すだけで、自宅へ来ることは年に数回、お中元やお歳暮、母の日などに贈り物があり、しゅうとめはそのことを喜んでおります。姉や兄は電話での話を信じ、次男に「親切にしないから、ぼけてしまうのだ。妻に言え」と何度も言ってきます。=岡山県、嫁(51)

 いつも一緒にいる人が一番かかわりをもち状況を見ながら対応しているのに、そのことが分かってもらえなくて、気持ちが沈んでしまいますよね。認知症のはじめは、特に他者にはわかってもらえないことが多くあります。

 たまにしか会わない人や電話などで目の前に人がいない場合は、緊張するのでしょう。緊張するから、今までの経験から自分の気持ちは出さず、常識的な受け答えをします。第三者からみると、何も問題はなく違和感がありません。しかし、いつもそばにいる人には安心して、自分の気持ちを出してしまいます。ものを忘れるという、見当識機能の低下があるのですから、自分では大切なものだから忘れないようにとしまったのに、そのしまっ…

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認知症予防財団

認知症の予防・治療に関する調査研究および社会的な介護体制づくり、介護家族への支援活動などを行い、豊かで明るい希望に満ちた長寿社会の実現をめざす公益財団法人です。1990年3月28日、毎日新聞創刊120周年記念事業として毎日新聞社が提唱、医学会や医師会、経済団体連合会などの協力を受け、厚生大臣の許可を得て設立されました。公式サイトhttps://www.mainichi.co.jp/ninchishou/