
病気になったらできるだけ早く適切な対処をする−−。これが重症化を防ぐ鉄則であり、治せる病気であれば回復を早める後押しになります。そのために大事なのが、病気を早く見つけること。これから折に触れ、病気の早期発見に役立つサインを紹介していきたいと思います。今回はうつ病と早朝覚醒です。
手術前後も患者・家族をサポート
タイトルを見て、「脳外科医がなぜうつ病を取り上げるの?」と思われたかもしれませんね。実は、私は心療内科医でもあります。まずそのいきさつからお話ししましょう。
頭が痛いと訴えて受診した患者さんに手術が必要だとわかったとき、われわれ日本の脳外科医は手術するだけでなく、手術の前も後も患者さんを診て、家族もサポートします。例えば手術前の患者さんなら、病気そのものに対する恐怖や、もし手術が失敗したらという不安などから気持ちが沈みがちです。手術がうまくいっても、手に少ししびれが残ったりすると、それが気になってイライラしたりします。そういう患者さんを支える家族もま…
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くどうちあき脳神経外科クリニック院長
くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。
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