ボストン発 ウェルエイジング実践術

高身長の健康リスクとメリットは

大西睦子・内科医
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 私は子供の頃、家の柱に毎年身長を記録していました。しるしが少しずつ高くなるのがうれしくて、夢中になりました。ふと気づくと母が自分より小さくなっていて、そのうちに、しるしの位置に変化がなくなりました。同じような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 私たちの身長には遺伝的要素が影響しますが、他にもいろいろな因子が関与します。例えば、十分な質のよい栄養摂取は、胎児期から乳幼時期、そして学童期から青年期にかけての発達において必須です。栄養失調の女性は、低出生体重児を出産するリスクが高まります。戦後の貧しい日本で育った母の世代に比べて、豊かな日本で育った世代は、栄養状態が著しく改善し、平均身長が急速に高くなりました。

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。