患者と医師の会話

医者「この高血圧の薬にはエビデンスがあります」

患者「では、その薬を私に使ってください」

医者「できません」

患者「えっ、どうしてですか?」

医者「あなたの病気は糖尿病だからです」

夏目漱石のかかりつけ医が日本のEBMに貢献

 ある年代以上の人なら、図書館で自分の調べたい文献を探すのに、抄録が書かれたカードを一枚一枚めくった経験があるのではないでしょうか。医学分野では、米国立医学図書館が1879年に創刊した「Index Medicus(インデックス・メディカス)」が代表的な抄録誌です。日本では、開業医の尼子四郎(同じ町内に住んでいた夏目漱石のかかりつけ医で、「吾輩は猫である」の甘木先生のモデルになった人物、出典:斎藤晴惠「尼子四郎と夏目漱石」医学図書館 2006; 53: 60-64.)が1903年に抄録誌(医学中央雑誌)を創刊しています。

 情報技術(IT)の発達により、抄録誌は電子化されてCD-ROMになり、さらにオンライン化されました…

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北澤京子

医療ジャーナリスト/京都薬科大学客員教授

きたざわ・きょうこ 医療ジャーナリスト、京都薬科大学客員教授。著書に「患者のための医療情報収集ガイド」(ちくま新書)、訳書に「病気の『数字』のウソを見抜く:医者に聞くべき10の質問」(日経BP社)、「過剰診断:健康診断があなたを病気にする」(筑摩書房)