こんにちは、小高です。前回に引き続き、胃がんについてお話しします。今回は特に「手術」に焦点を当てます。私は外科医ですので、手術が最大の仕事であり、専門領域です。少し詳しく解説してみます。

完治を目指す唯一無二の治療法

 前回紹介したように胃がんの主な治療法は、内視鏡治療、手術療法、抗がん剤治療(化学療法)、放射線治療の四つに大別できますが、その中でも手術が最も重要な役割を担っていると言って間違いありません。なぜなら、胃がんを完全に治すのが手術の目的であり、この点で手術と同等の効果を持つ治療法はほかにないからです。つまりがんを治すことを前提とするならば、手術以外の選択はあり得ません。例外は、いくつかの条件を満たす極めて早期の胃がんのケースです。そのような場合ならば内視鏡治療でも手術と同等の治療効果を得ることができます。内視鏡治療についても前回紹介しましたね。「内視鏡的切除」とも言い、胃カメラを使って行う胃内手術のことです。治療後の機能障害が極めて少ないため、幸いにして条件が合うならば良い選択肢です。

 多くの胃がん患者さんにとって唯一無二の治療法となる手術ですが、残念ながら万能ではありません。手術の…

この記事は有料記事です。

残り1689文字(全文2193文字)

小高雅人

佐野病院消化器がんセンター長

こたか・まさひと 大阪府生まれ、1997年高知医科大学(現・高知大学医学部)卒業。同大学付属病院第1外科、高知県立中央病院(現・高知医療センター)外科、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)東病院大腸骨盤外科などを経て、2006年から佐野病院消化器センターに勤務。13年同病院消化器がんセンター長に就く。専門は胃がん、大腸がんの手術と化学療法、その他の消化器がん治療。