ボストン発 ウェルエイジング実践術

糖尿病予防に焼かない低AGEs料理

大西睦子・内科医
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 食品の加熱調理には、煮る、揚げる、蒸す、直火で焼く、オーブンで加熱する、電子レンジで温める……などなど、さまざまな方法がありますよね。ハーバード大学のリチャード・ランガム人類学教授らの報告によると、初めて人類が加熱調理をマスターしたのは、なんと約190万年ほど前だったとされています。

参考URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10539941

 加熱調理によって、人類はより多くの栄養素を吸収できるようになり、脳や体の進化・発達をもたらしました。人類の進化は、化石から明らかになっています。そしゃくに要する労力・時間が減ったため、歯が小さくなりました。消化の時間が短くて済むようになったため、腸が短くなりました。長距離を走れるようになったのもこの頃と考えられています。

 また、ランガム教授は、男女の配偶システムにも加熱調理が関与していると仮説を立てています。加熱調理により食べ物の保存が利くようになり、盗まれる心配が増えました。それを防ぐのに女性は性的魅力を利用して特定の男性との結びつきを強化したと言うのです。結果、女性も栄養を効率良く取れるようになり、相対的に男女の体格差は縮まりました。

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。