長引く鼻水や鼻づまりの症状、なかでも蓄膿(ちくのう)症と呼ばれる慢性の副鼻腔炎は、息苦しさを感じてつらいものです。鼻のまわりに複数ある空洞のうち、鼻の両脇にあるものを上顎洞(じょうがくどう)と呼びます。ここに起きる炎症には、むし歯や歯周病など歯の病気が原因となるものがあります。
むし歯や歯周病などを長い間治療せずに放置していると、細菌が上あごから鼻の両脇の空洞に入り込んで、炎症を起こすことがあります。これが「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」です。黄色ブドウ球菌による発症が最も多く、レンサ球菌や大腸菌などでも起こります。特に奥歯のむし歯や歯周病が原因となりやすいので要注意です。
ほかに、歯根の治療中や抜歯の際に器具や歯根が空洞に触れた場合、歯を抜いた後に口と上顎洞が一時的につながった場合、インプラントなど歯の詰め物や装具の不具合なども、原因として考えられます。歯の治療後に鼻に症状が現れたら、歯性上顎洞炎の疑いがあると考えてみてもいいでしょう。
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