医療プレミア特集

記憶障害の回復効果も アンチエイジングに効く睡眠ホルモン

西田佐保子・毎日新聞 デジタルメディア局
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 体や脳を休ませ、組織の修復や細胞の新陳代謝を促す睡眠。しかし、「寝つきが悪い」「熟睡できない」「何度も目が覚める」などの症状に悩む人が数多く存在します。近年問題になっている「現代型不眠症」の原因の一つが、体内リズムを調節するホルモン「メラトニン」の低下です。生活習慣病を引き起こす活性酸素の除去など多彩な働きを持つメラトニンについて、東京医科歯科大学の服部淳彦教授(時間内分泌学)に聞きました。

 私たちの体は、1日約24時間のリズムを刻む体内時計の働きにより、朝は目が覚め、夜は眠りにつきます。体内時計には、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部位にある「主時計(中核時計)」と、全身の細胞にある「末梢(まっしょう)時計」があり、主時計は末梢時計の時刻を調節しています。脳と全身の細胞にある時計遺伝子の指令により、私たちの体は睡眠や覚醒、体温や血圧からホルモンの分泌まで、一定のリズムを保っているのです。

 とはいえ、体内時計はちょうど24時間のサイクルを刻んでいるわけではなく、多少のずれがあり、その「ずれ」は朝、太陽の光を目から取り入れることで毎日リセットされます。このリセットが一種のスイッチとなって、私たちの体は日中の活動状態に入ります。

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西田佐保子

毎日新聞 デジタルメディア局

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。 興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。