医療プレミア特集

「飲みづらい」で残ってしまう薬の問題

吉永磨美・毎日新聞 医療プレミア編集部
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飲まれなかったり、使われなかったりして家庭に眠る大量の残薬=日本薬剤師会提供
飲まれなかったり、使われなかったりして家庭に眠る大量の残薬=日本薬剤師会提供

 病院、診療所で処方された薬が「飲みづらい」「使いづらい」と感じたことはないだろうか? 錠剤が飲み込めない、塗り薬をチューブから出せない、自分でうまく注射できない……。事情はさまざまだが、これらの「飲みづらさ」「使いづらさ」が薬の「飲み残し」「使い残し」につながることが懸念されている。薬の飲み残しは「残薬」といわれ、治療がねらい通りに進まないリスクをはらむだけでなく、医療費の圧迫要因になる。薬を飲めずに困っている人、残薬問題の現状、その解決方法について、2回にわたり紹介する。

 「袋に小さい粒と大きい粒が一緒に入っていて、飲む時に小さい粒だけ、口からこぼれ落ちるんですよ」

 東京都内で1人で暮らす本木洋子さん(85)=仮名=は、医師から処方された薬の飲みづらさについて、口に手をあてて説明した。落ちた錠剤は指でうまくつまめないため、そのまま放置してしまうことがある。さらには薬を飲むこと自体がおっくうになり、あきらめてしまうこともある。

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吉永磨美

毎日新聞 医療プレミア編集部

よしなが・まみ 1972年生まれ。98年に毎日新聞社入社。横浜支局、東京本社地方部、社会部、生活報道部などを経て、2016年4月から現編集部。近年は「おんなのしんぶん」や連載「ガラスの天井」を担当しながら、女性や難聴など見えない障害をテーマに記事を執筆してきた。