医療プレミア特集

10月から定期接種化 B型肝炎ワクチンはなぜ必要?

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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母親に抱かれ予防接種を受ける赤ちゃん=米疾病対策センター(CDC)ウェブサイトより
母親に抱かれ予防接種を受ける赤ちゃん=米疾病対策センター(CDC)ウェブサイトより

 これまで希望者のみが自費で受ける「任意接種」だったB型肝炎ワクチンが、10月から法律に基づいて市区町村が主体となって公費で実施する「定期接種」化された。B型肝炎ウイルス(HBV)は感染力が強く、ウイルスが排除されずに感染が持続(キャリアー化)すると慢性肝炎を引き起こし、将来的に肝硬変や肝臓がんへと進展する可能性がある。なぜ今、乳幼児期にワクチン接種が必要なのか。9月28日に東京都内で開かれたセミナーから報告する。

 B型肝炎ウイルスは血液や唾液、汗や涙などを介して感染する。ある程度免疫が機能する年齢に達していれば、感染しても自覚症状がないまま免疫によってウイルスが排除されたり、排除できずに急性肝炎を発症しても治癒したりする。ただ、まれに命に関わる劇症肝炎を引き起こすこともある。

 一方、5歳未満で感染すると、ウイルスが肝臓にすみついてキャリアー化しやすい。登壇した済生会横浜市東部病院・小児肝臓消化器科部長の乾あやのさんによると、台湾で行われた大規模疫学調査で、免疫系が未熟な0歳児の感染では95%がキャリアー化し、年齢が高くなるにつれキャリアー化率は低くなるものの、1歳児で約50%、2〜4歳児でも25%がキャリアー化するという結果が出ているという。乳幼児期にキャリアーになる…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。