実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

「HIVは感染しにくい」って本当?

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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エイズという病を知っていますか?【3】

 タイでHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した患者さんたちが、いかに過酷な差別を受けているかを目の当たりにし、欧米から来たボランティアの医師たちが患者さんのありとあらゆる悩みを聞き治療にあたっているのを見て私には三つの目標ができました。

 一つ目は、自分はエイズ専門医になるのではなく、どんなことでも相談できるプライマリ・ケア医(総合診療科医)を目指すということ。パバナプ寺にはエイズ専門医が月に1度やってきて抗HIV薬を決める作業をしていましたが、毎日患者さんから訴えを聞いて治療を行うのは欧米から来ていたプライマリ・ケア医だったのです。ボランティアを終え帰国した後、私は母校である大阪市立大学医学部の総合診療部の門をたたきました。

 二つ目は、前回紹介したメーオ(仮名)の例にあるように、住民の無知からきているいわれなき差別への挑戦…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト