徐々に秋も深まってきました。皆さん走り出していますか? 秋から年明けのマラソンシーズン、ハーフマラソン、そして念願のフルマラソン挑戦という人も多いかもしれません。

 マラソン大会などの給水所には、よくカフェイン入りドリンクが置かれています。カフェインを取ればスピードアップできるという話をよく聞きますが、はたしてそうでしょうか。実はカフェインの効果は個人差があることが分かっており、速く走れるようになる人もいれば、まったく変わらない人もいます。今回はカフェインの効果を遺伝子の側面から検証した研究についてお話しましょう。

 市民ランナーにカフェイン飲料は大変人気があります。ほとんどの日本の大会でも給水所に置かれています。スペインの研究者が数年間かけて、スペイン国内および国際競技大会参加の2万人以上の尿サンプルを分析したところ、4分の3がカフェインを含んでいました。大会前にコーヒーを飲んでいる人が多数いたのだと考えられます。

 一方で、ランナーの中には「カフェインは利尿作用があるから、フルマラソンに出る1週間前から取らない」という人もいます。私の実感では、トレイルランニング(山道を走るレース)の参加者にそう言うランナーが多い印象があります。

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奥井識仁

よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長

おくい・ひさひと 1999年東京大学大学院修了(医学博士)後、渡米し、ハーバード大学ブリガム&ウイメンズ病院にて、女性泌尿器科の手術を習得する。女性泌尿器科とは、英語でUrogynecology。“Uro”は泌尿器科、“Gynecology”は婦人科を意味し、“Urogynecology”で、両科の中間にあたる部門という意味がある。都内の複数の大学病院から専門領域の診療に関する相談を受けながら、「よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック」を運営し、年間約800件の日帰り手術を行っている。水泳、マラソン、トライアスロンなどのスポーツ、音楽(サックス演奏)が趣味で、さまざまなスポーツ大会にドクターとして参加している。著書に「人生を変える15分早歩き」「ドクター奥井と走るランニングのススメ」(いずれもベースボールマガジン社)など。