ヒトの一生と体内時計【2】

 前回から、私たちと同じく体内時計の専門家である明治大学農学部の中村孝博先生に、ヒトのライフサイクルのステージごとに起きる体内時計の変化や、それに伴う身体的不調についてお聞きしています。今回は、老年期における体内時計の機能変化について伺いました。

老年期に認められる日内リズムの変化

 前回述べたように、生後間もない赤ちゃんの体内時計は未熟で、睡眠・覚醒リズムは不明瞭な形で出現します。生後3カ月くらいになると、お母さんの行動や光などの外的因子に影響されて、夜よく眠るようになるといった日内リズムが作られてきます。

 このリズム形成は思春期、成人期の間は一定なのですが、老年期になると変化が起きます。それが分かりやす…

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柴田重信

早稲田大学教授

しばた・しげのぶ 1953年生まれ。九州大学薬学部卒業、薬学研究科博士修了。九州大学助手・助教授、早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より早稲田大学理工学術院教授。薬学博士。日本時間生物学会理事、時間栄養科学研究会代表。時間軸の健康科学によって健康寿命を延ばす研究に取り組む。専門は時間栄養学、時間運動学とその双方の相乗効果を健康に活かす商品・プログラム開発。田原助教との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。

田原優

カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教

たはら・ゆう 1985年生まれ。早稲田大学理工学部、同大学大学院先進理工学専攻卒業。博士(理学)。早稲田大学助手を経て、2015年より早稲田大学高等研究所助教、17年1月よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部助教。07年より、柴田重信教授と共に、時間栄養学研究の確立に取り組んできた。また、発光イメージングによるマウス体内時計測定、ストレスによる体内時計調節などの成果も発表している。常にヒトへの応用を意識しながら、最先端の基礎研究を行っている。柴田教授との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。