実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

日本の医療機関 HIV差別の実態

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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エイズという病を知っていますか?【5】

 私がタイのエイズ施設「パバナプ寺」に初めて赴いた2002年には、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)を診察する医療機関はほとんどなく、感染者が医療機関に行けば「門前払い」をされていました。これは、当時のタイには抗HIV薬がなく有効な治療がおこなえなかったことと、世間に広がる差別意識のためでした。私がパバナプ寺でボランティア活動をした04年あたりから抗HIV薬が使えるようになり、また医療者の間では差別意識も消失し、受け入れてくれる医療機関が増えつつありました。

 現在のタイでは医療機関でのHIV差別などはほとんどなく、病院によってはHIV陽性者がボランティアで…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト