がんをあきらめない 難敵に挑む医師・患者・家族

膵臓がん 早期発見実現した尾道の挑戦

福島安紀・医療ライター
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 早期発見が難しく、見つかったときには他の臓器へ広がっていて手術ができないケースも多い膵臓(すいぞう)がん。広島県の尾道市医師会では、診療所の開業医と膵臓がんの精密検査ができる病院が連携し「膵癌(すいがん)早期診断プロジェクト」が進められています。このプロジェクトは、全国に先駆けて構築された尾道独自の地域包括ケアシステムを生かしたもので、成果を上げています。膵臓がんの早期発見の秘訣(ひけつ)について、このプロジェクトを運営するJA尾道総合病院消化器内科診療部長で、膵癌早期診断研究会代表世話人の花田敬士さんに聞きました。

 --膵臓がんの早期診断目指す「尾道方式」とは?

 尾道市医師会では、片山寿・元医師会長(同市医師会地域医療システム研究所長)を中心に、1990年代の初めごろから、在宅医療を行う開業医と急性期の病気の治療を行う病院が連携して、自宅で終末期の医療やみとりを行う「尾道方式」と呼ばれる地域包括ケアシステムを全国に先駆けて構築してきました。その尾道方式を活用して、膵臓がんのリスクの高い人に対して開業医の先生たちに腹部超音波検査を実施してもらい、膵臓の中に…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。