10歳若返る歩行術 -インターバル速歩-

遺伝子が決める?運動が続く人、挫折する人

能勢博・信州大学教授
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 運動は体にいいことはわかっているけれど、それを続けるのは難しい。運動を続けられる人、すぐ挫折してしまう人、何が違うのでしょうか。最近の私たちの研究から、それには遺伝的な要因も含まれる可能性があることが分かってきました。今回は、それを紹介しましょう。

遺伝子多型は個性を決める

 体の設計図の原本は「DNA」です。DNAはA、T、C、Gという四つの化学物質(塩基)が数十億連なった糸です(図1)。全ての塩基配列が重要なのではなく、所々に特に大切な配列があります。これを「遺伝子」と呼び、ヒトでは約2万個あります。1つの遺伝子も数十塩基からなる小さいものもあれば、数千塩基からなる大きいものもあります。ある遺伝子について、すべての人が全くおなじ塩基配列をもっているのではなく、人によって1カ所だけ塩基の種類が異なります。これを一塩基多型といいます。目はあるが、その形が少し違う。鼻はあるが、その形が少し違う、といったように、各人の個性を反映するものです。

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能勢博

信州大学教授

のせ・ひろし 1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授などを経て現在、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)。画期的な効果で、これまでのウオーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、約10年間で約6000人以上に運動指導してきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰・ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂した。著書に「いくつになっても自分で歩ける!『筋トレ』ウォーキング」(青春出版社)、「山に登る前に読む本」(講談社)など。